今朝、仕事に出る直前に、なぜか星野道夫の本を手に取りました。
アラスカの写真。森の木々にうっそうと地衣類が根付き、その香りまで感じるような瞬間。食事を終えたホッキョクグマたちが氷河の上でまるで人間のようにくつろぐ姿。アラスカの森の中、ぽつんとたたずむムース。
私たちがせわしなく生きるこの瞬間にも、北極の海では鯨が跳ねている。
見えないけれど、確かに全ての生き物の上に時間は流れ、生命の営みを繰り返している。
たった数秒だったけれど、いろんなものが私の中に流れ込んできたような感覚があって、突然涙があふれてきました。
そして、今すぐにでも北海道の森へ行きたい…そんな衝動に駆られました。あの香りを全身に浴びたいとふいに思ったのです。
でも、そんな訳にもいかないww
仕事へ行って、帰って。
今日は「ぶどうのなみだ」を観ました。
大好きな「しあわせのパン」と同じ制作陣で、北海道を舞台とした映画。
今回は空知でワイナリーを営む兄弟と、そこへ突然あらわれた不思議な魅力を持つ女性との出会いの物語でした。
「土くさいワインは、時間がたつと良いワインになる。」
空の青、木や草花の緑、そして土。
何気なく踏みしめている大地は、全てを抱えている。生まれて死んだ命、私たちの涙、たくさんの思い出を。
土はたくさんの命を抱えてそこにあって、ぶどうの木はその土に一生懸命に根をはわせ、栄養を吸い、空に向かって伸びていく。
そのぶどうが姿を変え、ワインとなり、その一滴を今ここに生きている私たちがいただく。
生命の連鎖を、そして植物の力を感じました。
エリカが青に贈ったミズナラの樽と、その手紙の内容に心が動かされました。そこで初めて青が今まで見えていなかったものを知ることになります。
最後はささやかだけれど、やっぱりハッピーエンドで嬉しい。
あぁ、今すぐ大切な人たちとワインが飲みたいな ♪
いまここにある全てに感謝をして、乾杯を。
これまでに流してきた涙の分だけ、そしてこれから流す涙もみんな良い味になって。
そんな幸せな瞬間が、たくさん訪れますように。
えだ子
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